大相撲の世界で最高位とされる「横綱」。その称号を持つ力士たちは、しばしば多くの優勝回数を誇ることが期待されます。
しかし、歴史を紐解くと、優勝回数が少ない横綱も存在します。さらには、優勝0回の横綱もいるのです。
今回は、優勝回数が少ない順に横綱をランキングし、その背景について探ってみましょう。
- 優勝回数が少ない横綱ランキング
- なぜ優勝回数が少ない横綱が存在するのか?
- 優勝0回の横綱がいる理由
- 横綱昇進の条件
優勝回数が少ない横綱ランキング
まずは、優勝回数が少ない横綱をランキング形式でご紹介します。
優勝回数が5回までの横綱をまとめています。
順位 | 力士名 | 優勝回数 |
---|---|---|
1 | 双羽黒 | 0 |
1 | 梅ヶ谷 | 0 |
3 | 西ノ海(2代) | 1 |
3 | 吉葉山 | 1 |
3 | 西ノ海(3代) | 1 |
3 | 前田山 | 1 |
3 | 安藝ノ海 | 1 |
3 | 武蔵山 | 1 |
3 | 常陸山 | 1 |
10 | 宮城山 | 2 |
10 | 稀勢の里 | 2 |
10 | 鳳 | 2 |
10 | 男女ノ川 | 2 |
10 | 大乃国 | 2 |
10 | 照國 | 2 |
16 | 三重ノ海 | 3 |
16 | 栃ノ海 | 3 |
18 | 隆の里 | 4 |
18 | 旭富士 | 4 |
18 | 若乃花(二代目) | 4 |
18 | 鏡里 | 4 |
22 | 琴櫻 | 5 |
22 | 朝潮 | 5 |
22 | 若乃花(三代目) | 5 |
22 | 柏戸 | 5 |
22 | 大錦 | 5 |
なぜ優勝回数が少ない横綱が存在するのか?
1. 昇進のタイミング
横綱への昇進は、単なる勝利数だけで決まるわけではありません。審判部や相撲協会の判断も重要な要素です。
例えば、双羽黒は1986年に横綱に昇進しましたが、昇進後に一度も優勝することなく引退しました。これは彼が若くして昇進したことが一因とされています。
2. 競争の激化
優勝回数が少ない横綱の多くは、他の強豪力士との競争が激しかった時代に活躍していました。
例えば、西ノ海(2代)、吉葉山、前田山などは、同時代に多くの強豪が存在しており、優勝を飾ることが難しかったのです。
3. けがや病気
力士のキャリアにおいて、けがや病気は避けられない問題です。
安藝ノ海や武蔵山などは、横綱昇進後にけがに悩まされ、思うような成績を残せなかった例です。これも優勝回数が少ない理由の一つです。
4. 時代背景
時代背景も無視できません。常陸山や梅ヶ谷のような昔の横綱は、現在のような優勝制度が確立されていなかったため、成績を比較すること自体が難しい場合もあります。
優勝0回の横綱がいる理由
横綱に昇進しながらも一度も優勝できなかった力士としては、双羽黒が有名です。
彼の場合、昇進直後に度重なる不祥事や問題行動が原因で引退を余儀なくされました。
これは非常に特殊なケースですが、彼の事例からも分かるように、横綱昇進が必ずしも優勝を保証するものではないという現実があります。
また、梅ヶ谷については、彼が活躍した明治時代は現在のような優勝制度が存在せず、成績が記録されていないため、優勝回数が0回となっています。
横綱昇進の条件について
横綱は相撲界で最高位の称号であり、その昇進には厳格な基準が設けられています。
以下に、横綱昇進の条件について詳しく説明します。
1. 大関としての安定した成績
横綱昇進の前提条件として、大関での安定した成績が必要です。具体的には、大関として連続して好成績を収めることが求められます。一般的には以下の条件が重要とされています。
- 連続優勝: 大関として2場所連続で優勝すること。
- 優勝同等の成績: 1場所優勝し、次の場所で準優勝やそれに準ずる好成績を収めること。
これらの成績が評価され、横綱昇進が検討されます。
2. 技術と品格
横綱はただ強いだけでなく、技術と品格も求められます。具体的には以下の点が重視されます。
- 技術: 多様な技を駆使し、安定して勝利を収める能力。
- 品格: 土俵上だけでなく、土俵外でも品位ある行動を示すこと。相撲道の精神を体現することが求められます。
3. 審判部の推薦と理事会の承認
横綱昇進は、相撲協会の審判部が推薦し、理事会が最終的に承認することで決定されます。以下のプロセスを経て昇進が決まります。
- 審判部の審議: 大関の成績や品格を総合的に評価し、昇進が適切かを審議します。
- 推薦: 審議の結果、昇進が適当と判断されれば、審判部から理事会に推薦されます。
- 理事会の承認: 相撲協会理事会が推薦を受け、最終的に承認します。理事会での承認をもって正式に横綱昇進が決定します。
4. 勢力維持と引退の覚悟
横綱は相撲界の象徴であり、その地位を保つためには常に高いレベルの成績を維持する必要があります。
横綱としてふさわしい成績が残せなくなった場合には、引退する覚悟も求められます。これは「横綱の責任」として重視されており、横綱自身もそれを自覚しています。
横綱の優勝回数が少ないランキングのまとめ
『横綱の優勝回数が少ないランキング』と『優勝0回の力士がいるのはなぜか』についてまとめました。
- 横綱になった力士で一番優勝回数が少ないのは双羽黒と梅ヶ谷です。
- 双羽黒と梅ヶ谷の優勝回数は0回です。
- 双羽黒の優勝回数が0回の理由は、度重なる不祥事や問題行動が原因で引退したためです。
- 梅ヶ谷の優勝回数が0回の理由は、彼が活躍した当時に優勝制度が存在しなかったためです。
- 優勝回数が少ない横綱が生まれるのは、昇進のタイミングや競争の激化、けがや病気、時代背景など、いくつかの要因があります。
- 現在は横綱昇進の条件について定められており、大関としての安定した成績、技術と品格、審判部の推薦と理事会の承認などの条件があります。
横綱は相撲界で最高の栄誉を持つ地位ですが、その地位についた全ての横綱が多くの優勝回数を誇るわけではありません。
これらの背景を理解することで、横綱という称号の持つ多面的な価値を再認識することができます。