山田久志さんは、1968年にドラフト1位で阪急ブレーブス(現在のオリックス・バファローズ)への入団しました。
独自のアンダースロー投法で通算284勝を挙げるなど、17年にわたり二桁勝利を続け、最多勝を3度受賞し、3年連続でMVPに輝くという、野球史に輝く業績を達成したレジェンドです。
この記事では、山田久志さんの球速と、その球速がなぜすごいのかを書いていきます。
山田久志の球速は?
山田久志さんの投げる球速は145㎞ほどです。山田さんと阪急ブレーブスでチームメートだった松永浩美さんがこう証言しています。
――山田さんはアンダースローでも球が速かったですね。
松永 145 kmぐらい出ていましたね。一般的なアンダースローのピッチャーと比べてスピード感がかなり違いました。ワインドアップで構えて、そこから足がグーッと上がって。「上から投げるんかな」と思ったら、そこからスーッと腕が下がっていく。フォームもかっこよかったですね。
引用元:Sportiva 史上最高のサブマリン・山田久志の剛腕伝説
ちなみに、松永さんが阪急の1軍で活躍しだしたのは1981年から。その時には山田さんはすでに膝を痛めて球速が遅くなっていたようです。
若い頃の山田さんは松永さんの証言以上のスピードボールを投げていた可能性がありますね。
山田久志が投げるアンダースローの145㎞は何がすごいのか?
今のプロ野球で145㎞を投げてもたいして驚くことはありません。
しかし、アンダースローで145㎞を投げるのは稀有な才能です。ほとんどのアンダースローの投手は130㎞台のストレートしか投げることができません。
- 渡辺 俊介(千葉ロッテマリーンズ:2000年ドラフト4位入団)→132キロ
- 牧田 和久(埼玉西武ライオンズ:2010年ドラフト2位入団)→137キロ
- 高橋 礼(福岡ソフトバンクホークス:2017年ドラフト2位入団)→146キロ
- 與座海人(埼玉西武ライオンズ: 2017年ドラフト5位入団)→136キロ
- 中川 颯(オリックスバファローズ:2020年ドラフト4位入団)→136キロ
これだけで、山田さんのすごさがわかります。
しかし、上の表を見ると、高橋礼投手もアンダースローで146キロのストレートを投げることができます。
では、山田久志投手が球速No.1でなくても、歴代ナンバーワンのアンダースロー投手と言われる理由はいったい何でしょうか?
正確無比のコントロールが尋常じゃなかった!
山田久志さんのすごいところは、145㎞のストレートを抜群のコントロールで投げ込めるところです。
前出の松永さんはこう言います。
(1984年の)広島との日本シリーズでも印象的なシーンがありました。2死満塁のピンチで衣笠祥雄さんとの対戦だったのですが、カウントが3-0になってしまって。
サードを守っていた私は「いったい何を投げるんだろう」と興味を持って見ていたのですが、真っ直ぐをど真ん中に投げたんです。
2ストライク目はど真ん中よりもボール1個分上に投げて、次の球はさらにボール1個分上に投げて三振を取ったんですよ。
真っ直ぐに対する自信もさることながら、あの状況で冷静に、ボール1個分ずつコースを上げていったことがすごい。
山田さんの真骨頂というか、300勝近く白星を重ねたピッチャーのすごさを理解できた瞬間でした。
引用元:Sportiva 史上最高のサブマリン・山田久志の剛腕伝説
独特の軌道を描くアンダースローで145㎞のボールを投げ、それを思い通りの場所へ投げ込むことができる!
これが山田さんの剛球たるゆえんです。
まとめ
山田久志さんの球速と、その山田さんの投げるボールがいかにスゴイのかをまとめました。
山田久志さんはアンダースローから放たれる145㎞の速球で、野球界にその名を刻みました。彼の業績は、単に速球だけでなく、抜群のコントロールと冷静さを持ってピンチを切り抜ける能力にも現れています。
彼のキャリアを通じて、山田さんの投球は数多くの野球ファンに感動を与え続け、彼が歴史に残るピッチャーである理由を明確にしています。
これからも山田さんの功績は、次世代へ語り継がれていくことでしょう。